「アウシュヴィッツ=ビルケナウ」心書vol.55

エジプトへボランティアに行く前、幼馴染を訪ねるため、ポーランドへ1週間ほど行った。特にどこか観光地へ行きたいという気持ちはなかったが、唯一、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所だけは行ってみたかった。幼馴染から行きたい場所を聞かれた時に、…

「タスクとエゴ」心書vol.54

ゴルフのコーチから〝タスクとエゴ〝について連絡をもらった。頑張り屋さんほど、エゴが高くなり、ストレスがたまりやすい傾向にあるとのこと。1つ目は他の人より良くありたいというエゴオリエンテーション。2つ目は前よりも成長していたいという過去の自分…

「記念日」心書vol.53

「◯◯の誕生日っていつ?」新卒で入社した会社の上司が変わった際、最初に聞かれた質問だ。私「▲月▲日ですが、何かありましたでしょうか?」上司「いや、誕生日ぐらいは早く帰りたいかなぁと思って。」上司は結婚している先輩には結婚記念日も確認し、メモし…

「トマトのマハシー」心書vol.52

エジプトの家庭料理にマハシーと呼ばれるものがある。味付きのご飯をぶどうの葉に包んだり、ピーマンやズッキーニの中に詰めた料理だ。他のアラブの国ではひき肉を詰めることもあるみたいだ。わたしは「エジプト料理で何が好き?」って聞かれたら、「マハシ…

「クレーム」心書vol.51

新卒で入社した出版社では入社後半年したら担当先を持たせてもらうことになっていた。わたしは関西出身ということもあり、より関西に近い地域の担当をさせてもらうことになった。先輩社員と引き継ぎの挨拶まわりへ行った際、他の人と同じ様に挨拶をし、困り…

「斜め上」心書vol.50

「◯◯さんって人が思う斜め上をいきますよね。」この秋に入社した部下から言われた言葉だ。直前に話した内容が関係しているみたいだ。定時少し前に納豆の話をしていた。私「▲▲の◼️◼️社長は納豆が大好きらしいよ。 大学が東京の●●大学で、上京して、納豆の味を…

「ジャスミン畑」心書vol.49

「なぜ、エジプトへ留学したの?」よく質問される。わたしはエジプトのジャスミン畑における児童労働のフィールドワークがしたくて、エジプトへ留学した。普通の大学生だったわたしには通訳を雇うという選択肢はなかった。自分がアラビア語ができるようにな…

「アラブ革命」心書vol.48

「なぜ、そんなにエジプトが好きなの?」エジプトでよく聞かれた質問だ。「ナイル川の水をたくさん飲んでしまったから、 必ずエジプトへ戻ってきてしまうの。」エジプトにある諺の1つに「ナイル川の水を飲んだら必ずその地へ戻る」というものがある。「なぜ…

「ジェンダー」心書vol.47

「◯◯、日本の企業には女性の営業マンはいないのか? 今まで◯◯以外に日本から女性の営業マンはきたことがない。」入社して最初に担当させてもらった海外取引のメインは中国だった。当時は中国へ年に3-4回出張していた。最初は中国のみだったが、他の仕入れ先…

「武器」心書vol.46

「◯◯はそのしょぼい武器でたたかうつもり?」中間管理職になって少しした頃、他部署の部長から言われた言葉だ。しょぼい武器=部下がしょぼいという意味らしい。当時、とても悔しかったことは忘れられない。「◯◯は部下に優先順位をつけへんからあかんねん。 …

「期待」心書vol.45

年末年始に読んだ本のあとがきにこの様な内容があった。〝独立行政法人•国立女性教育会館が、入社してから5年間の男女社員の意識変化を調査している。そのなかの、管理職を目指したいかという設問に対し、入社初年度、男性社員の94%は管理職を目指したいと回…

「ピラミッド」心書vol.44

エジプトへ留学していた頃、ピラミッドは身近なものだった。当時、外国人なら約2,000円払わないといけない入場料がエジプトにある国立大学生だった場合は約20円で入れたからだ。未だになぜピラミッドが建てられたかは明らかになっていないらしい。わたしはあ…

「豊かさ」心書vol.43

エジプトには聴覚障がい者の人たちが働くKFC(ケンタッキー•フライド•チキン)がある。最初に存在を知ったのはエジプト留学中だった。その当時住んでいたアパートから徒歩20分程の位置にあり、なんとエジプトで最初に借りた部屋から徒歩5分の場所だった。実…

「宇宙銀行」心書vol.42

「宇宙銀行って知っているか?」車で移動中にお取引先の前々社長から言われた。「宇宙銀行という銀行がある。 人間が良いことをしたら、宇宙銀行に貯金される。 1-2年では利子はつかない。 早くても利子がついてかえってくるまで20-30年かかる。 ただ、もの…

「共通点」心書vol.41

エジプトにいた頃、毎日のように同僚のお家でご飯をご馳走になった。お呼ばれする時は何か手土産を買っていくのだが、定番はアラブ菓子だった。わたしはどうしても甘い甘いアラブ菓子が苦手で、いつも代わりにフルーツやスナック菓子を買って持って行った。…

「プラスアルファ」心書vol.40

エジプトへボランティアに行く直前、幼馴染を訪ねてポーランドへ行った。幼馴染がポーランドで結婚することになったからだ。『どうやってポーランドまで行こうか?』と考えた結果、ドイツから夜行列車でポーランドへ移動することにした。そのことを幼馴染へ…

「信仰心」心書vol.39

ミャンマーへ行った際に興味深い話を聞いた。わたしがミャンマーへ行った頃は街中で頻繁に停電がおきた。ミャンマー中部の村にはまだ電気は通っていなかった。そんな中、絶対に停電しない場所があるという。それが〝パゴダ〝と呼ばれるミャンマー様式の仏塔…

「幸運」心書vol.38

学生時代、政府の事業でミャンマーへ行くチャンスを頂いた。20歳から29歳までの約10名でミャンマーへ行き、草の根レベルでの国際交流を行うことが目的だった。その当時のミャンマーは軍事政権下にあり、外国人の出入国がまだまだ厳しい時だった。「〝アウン=…

「冬」心書vol.37

「あんた、取引先に倒産されたことあるか? ないなら、あんたはまだ半人前や。」30歳になるかならないかの頃、お取引先の社長から唐突に言われた。「『あそこの取引先まずいかも。』って思ったことはあるやろ? 大体はそこで手を引く。 危ないことに気付かへ…

「サプライズ」心書vol.36

エジプトでボランティアとして働いていた頃、両親が一度遊びに来てくれた。同僚達にも伝え、遊びに来てくれる時は普段なら着ない水着を着て、海へ遊びに行きたいことも伝えて楽しみにしていた。母に、服のプレゼントをしたくて、職場で1番上手な同僚にお願い…

「シュトーレン」心書vol.35

わたしの趣味の1つはパン作りだ。8年近く続けている。コロナでなかなかパンもプレゼントしにくくなったので、最近はあまり焼いておらず、もっぱら食べる専門だ。ちなみに、わたしはご飯派だ。クリスマスが近づき、今年もシュトーレンの季節がきた。毎年、12…

「寄り添う」心書vol.34

「◯◯ちゃん、本当はどうしたいの? 後悔がないように。」そう言ってくれる友人達が周りにいることに感謝した1週間だった。私は自分の気持ちを誤魔化すことがよくある。例えば、セクハラ的な発言を受けた時、どれだけ嫌でも、どうにかその場をやり過ごす。「…

「社長を写真の中に入れる」心書vol.33

エジプトでボランティアをし始めた頃、アラビア語の先生から教えてもらった諺がある。「◯◯の仕事は〝社長を写真の中に入れること〝がポイントよ。 職場で上の立場になると、みんながなかなか話しかけにくくなってしまう。 日本からボランティアがきて、周り…

「無になる」心書vol.32

パーソナルトレーニングに通っていて心掛けていることは〝無になること〝だ。脳が常にフル回転していると、消化に良くないから、太りやすいとのこと。人間は考えていないつもりでも、脳は無意識ながらもずっと働いてくれている。私は常に色々と考えがちだ。…

「コート」心書vol.31

本日、オーダーしていたカシミヤのコートを受け取りに行った。コートを買うのはもう10年ぶりぐらいかもしれない。お取引先様との会食で、北新地、銀座、中洲や錦など行かせてもらってきた。その際、お取引先様の上着に触れる機会があるのだが、皆さん、肌触…

「最上級」心書vol.30

エジプトへ留学していた頃、大学の授業で比較級と最上級の授業があった。クラスメイトは基本的には国費留学生ばかりで、ヨーロッパやアフリカ、アジア諸国から来ており、恵まれた学生生活だったと思う。先生「今日は比較級と最上級の授業をしたいと思います…

「あん」心書vol.29

昨日、〝あん〝という映画を観に行った。映画を観終わってから、〝なぜ、英語を勉強しようと思ったか〝を思い出した。小学生低学年の頃だったと思う。民族衣装を着た女子学生に生卵を投げつけた人がいるとテレビのニュースで知った。わたしにはすごく不思議…

「読書会」心書vol.28

わたしは読書会のメンバーだ。読書会はお取引先様の部長が会長で、私の元同期とわたしが会員である。今年度はコロナもあり、会長のお誕生日祝いに集まったのみだが、例年であれば、年に3-4回集まる。読書会という名の食事会だ。とは言え、もちろん、毎回、そ…

「うさぎと亀」心書vol.27

エジプトへ留学中、語学学校での最後のテストの日、わたしは赤痢にかかった。前にも心書に書いた通り、わたしは自他共に認める落ちこぼれ生徒だった。通っていた語学学校は1つレベルが上がる度に1人が試験に落ちるというシステムだった。『いつか試験をパス…

「マァーレイシュ」心書vol.26

「すみません。」私の口癖だ。お取引先様や上司からもご指摘頂いたことがある。すみませんとは、本来は気持ちがおさまらないという意味らしく、そこから、申し訳なさを表す言葉としてつかわれるようになったとのこと。エジプトに住んでいた頃、〝マァーレイ…