「新しい趣味」心書vol.3

f:id:Nabila:20200924200655j:plain

昨年の夏から私の趣味が1つ増えた。

山登り。

始めたきっかけは仕事だった。


とある取引先と新しい取引が決まり、

取引先の社長と会食頂くことになった。

大手同業者と競り合った結果決まった時、

すごく嬉しかった。

その社長とは何回か食事をご一緒頂いてきたが、

ほとんどはその社長がお店を決めてくださっていたし、

こちら側がセッティングした際には

上司に一見さんお断りのお店を予約してもらっていた。

今回は私がお店を決めることになった。


社長の好みを考えつつ、下見もして、お店を決めたが、

1つ懸念事項があった。

その社長は1回怒ると絶対に許さないという噂だ。

絶対に怒らせてはいけないと思って担当してきた。

もちろん、今までも怒らせてはいないと思っている。

でも、もし、この食事会で怒らせてしまうような失敗をしたらどうしようかと思った。


ぐるぐると考えていたら、ふと、その取引先の関係者が

「社長、最近山登りにはまっているみたいで。」

という話をされていたことを思い出した。

「そうだ!山登りだ!!」

と気付いたのが会食の4日前。

まだまだ暑い中、山登りなんて誰にも付き合ってもらえない。

「でも、でも、でも…。」

私は1人で登れそうな山を探して登りに行った。


会食当日、お会いした瞬間にその社長から

「◯◯、痩せたか?」

と聞かれた。

もちろん、前日の登山で痩せるわけはない。

でも、もじもじしていてはダメだ!と思い、

「ハイキングしたからですかね。」

と答えた。


その日、その社長とは初めて大阪で2軒目へはしごした。

その時、

「うちの会社にハイキング部がある。

◯◯もぜひ入部しろ。」

という話になった。

もちろん、この日のために前日に急遽登ったなんて口が裂けても言えない。

「でもでも…私、最近たまたま登っただけなんで。

皆さんにご迷惑をおかけすると思います。」

なんて、通用しなかった。


そんなこんなで、私は今も山登りを続けている。

コロナの影響で、ハイキング部への入部はまだかなっていないが、

お誘い頂いた時に足を引っ張ってはいけないと思ってトレーニングを続けている。