「期待」心書vol.45

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年末年始に読んだ本のあとがきにこの様な内容があった。

独立行政法人国立女性教育会館が、入社してから5年間の男女社員の意識変化を調査している。そのなかの、管理職を目指したいかという設問に対し、入社初年度、男性社員の94%は管理職を目指したいと回答したのに対し、女性社員は58%。そして翌年、初年度に管理職を目指したいとした女性の2割が、わずか1年の間に管理職を目指さないに変わっている。入社3年目、さらに目指す女性は減り、早くも同期入社男性の半分以下となっている。〝

〝調査担当者は、入社後のわずかな期間に、女性たちが管理職を目指さなくなるのは、「私は会社から成長をそんなに求められていない」、「期待されていない」と早々と感じてしまう人がかなりいるからではないか、としている。〝

出典:『総理の夫』 著者 原田マハ

    P.451


思い返せば、大学を卒業して初めて入社した会社は

女性営業マンに期待していなかったと思っている。


新入社員研修を終え、配属されてから暫くして気になる話を耳にした。

研修を担当してくださっていた4歳上の女性先輩社員が休んでいるという話だった。

それもその話には触れてはいけないという社内のプレッシャーがあるらしく、

「気になるけど、触れない方が良いよ。」

と同じ部署の女性先輩から言われた。

『体調を崩されたのかな?』

と思ったが、アドバイスに従い黙っていた。


その4歳上の女性先輩はとても優秀で、

既に営業成績1番で表彰されたことがあるらしかった。

物静かで、可憐な雰囲気のある方だった。

研修中、女性営業の同期がいない私を気にかけてくださり、

常に横にいてくださった思い出がある。


また少しして耳に入ってきた話は違う内容だった。

退職されるという内容だった。

聞くと、4歳上の女性先輩は同じく研修担当だった男性先輩とお付き合いされており、

授かり婚だった。

繁忙期中の営業エースの授かり婚に会社の経営陣は怒り狂い、

相手の男性先輩を問い詰めた結果、

男性先輩は精神的に参ってしまったらしいということだった。


結局、女性先輩は妊娠を機に退職され、

出産後、契約社員として復帰することになった。

社内には既にそういった形で復帰され、

子どもさんが大きくなられた段階で正社員に戻り、

管理職になられている女性の上司が1名いらっしゃった。

女性先輩の上司だった。


私はすごく不思議だった。

『なぜ、妊娠したら退職し、続けたければ契約社員にならないといけないのか?』

いつか海外で働きたいという気持ちがあったので、

留学費を貯めたら辞めるつもりでいたが、

それでも納得できなかった。


『総理の夫』のあとがきを読んで、そのことを思い出した。

『期待されていない。』

と感じるとやる気が失せるのは経験済みだ。

であれば、男女関係なく、

部下達には期待していることが伝わらないといけないと思った。

明日が初出だが、意識しようと思う。