「告白」心書vol.64
エジプトのジャスミン畑でフィールドワークをしていた際、
ジャスミン畑のオーナーの次男坊(アハマド)には仲良くしてもらった。
当時、彼は5歳だった。
「◯◯、僕は◯◯のことが大好きだから、
いつまでもここに居てもらいたいんだ。
だから、、、。」
アハマドがジャスミン畑に水やりをしながら、
わたしに話しかけてきた。
わたしはてっきり
「僕と結婚して欲しい。」
と続くと思った。
「僕のお父さんと結婚して、3階に住んで欲しい。」
アハマドの家は3階建てで、1階はおじいちゃん家族、
2階にアハマド家族が住んでいた。
そして、3階には誰も住んでいなかった。
文化の違いは子どもとの会話にも現れると実感した。
「ダメだよ。
わたしにはお付き合いしている人がいるでしょ?
残念ながら、アハマドのお父さんとは結婚できないよ。」
そう話すと、彼は寂しそうな顔をした。
約5年後、アハマドに再会した際にこの話をしたら、
彼ははにかんだ笑顔をわたしに向けてくれた。
゛好きな人には傍にいて欲しい゛
彼のそんな気持ちは方法はどうであれ、
わたしにしっかり届いたことは忘れない。