「にこにこ」心書vol.65
父「お母さん、わざわざ▲▲してくれたんや。
ありがとう。」
母「今まで「わざわざありがとう。」なんて言われたことあった?」
ある朝の我が家での一コマだ。
ここ1ヶ月、母は猛烈にイライラしている。
理由はわかっている。わたしだ。
反対に父の機嫌は悪くない。
それがまた母のイライラを助長しているみたいだ。
4月から役職が変わり、日々、いろいろなことを考える。
役職が変わることは内示が出ていたので、
数ヶ月前から知っていたが、
辞令を受けるまでは何が起きるかは分からないと思っていた。
とは言え、
『私にできることってなんだろう?』
と、部下達と同行する中で考えることが増えた。
『若いし、女性だし、舐められてはいけないとずっと思ってきたが、
果たして、それで良いのか?』
ふと、そんなことを考えていた時に
最初の両親の会話が目の前でされ、はっと気付かされた。
『私はいつも難しい顔をしている気がする。
私が出来ることは基本的に〝にこにこ〝していることかもしれない。』
もちろん、謝罪に伺う際ににこにこはおかしいが、
普段の同行時はにこにこしていたって良いじゃないか、
と気付かされた。
そんなある日、部下の取引先の社長が
「◯◯さんがずっとにこにこ聞いてくれるから、
要らんことしゃべり過ぎたわ!」
とおっしゃってくださった。
社長のお話が面白かったのだが、
それでもなんだか嬉しかった。
にこにこすることは難しくないようで、
心掛けないとなかなかできない。
眉間に皺を寄せないよう、にこにこ過ごしたい。