「初心を思い出す」心書vol.83

先月の役員会で執行役員に選任された。

ついてきてくれている部下達に改めて感謝した。

少し前に内示は頂いていたが、実感があまりなかった。

正直、内示を受けた時、驚きと同時に安心したような気持ちがあった。

 

夫は同じ業界に勤めている。

結婚する時、私はもう今の役職以上には昇格はできないであろうと思った。

夫にその旨を伝えたところ、「本当に結婚して良いか?」

と、念押しを受けたことを覚えている。

 

私の勤め先はオーナー企業だ。

同じ業界に経営者の夫がいることは

きっと想定外であっただろうし、

ウェルカムではなかったであろう。

 

結婚する直前、部長職へ昇格した際、

『このままいけば(今までの私なら)2年後に執行役員になれる可能性もあるだろう』

と頭をよぎったことは事実だ。

その可能性がなくなったとしても良いと思って結婚した。

 

営業数字を上げること、

部下や他の部署の若手に目を配ることを

今まで以上に気をつけた。

『役職じゃない。

やれることをやろう。』

 

「旦那さんは変わらずご飯作って待ってくれているの?」

会食した際、勤め先の社長から聞かれた。

「はい。」と答えたら、

「家事してくれる旦那さんで本当に良かったよね。」

と専務が続いた。

 

「◯◯さんの人生にとってプラスになれるよう、

 今まで通り、いや、今まで以上に好きな仕事ができるよう

 頑張りますので。」

結婚を認めてもらおうと顔合わせした際、

わたしの両親にそう宣言した夫は

平日の夜ご飯をつくり、帰りを待ってくれている。

他の家事も率先して担ってくれていること、感謝している。

 

若手の頃、勤め先の取締役は転職してきてもらうことが多く、

営業先へ同行してもらっても

「初めまして」となることがほとんどであった。

『もし、自分が役員になれる日がきたら、

その時が初めましてではなく、

「あっあのひよっこが?」

と思ってもらえるように頑張ろう。』

そんなことを同行してもらいながら、思っていた。

 

執行役員から取締役になるにはまだまだ足りないことばかりだが、

その気持ちを忘れず、頑張ろうと思う。