「部下の結婚」心書vol.77

「結婚される前、支店長はどれぐらい旦那さんに対して我慢されていましたか?」


部下の1人が結婚を決めたと報告してくれた。

次の週末に彼女のご両親のところへ挨拶に行くとのこと。

「彼女のお家は和室?

 座布団に座ったまま挨拶しない方が良いよ。

 きちんと座布団からおりて挨拶する方が丁寧さが伝わると思うよ。」

彼は外国人なので、それだけ伝えた。


彼女のご両親への挨拶が終わった後、

一緒に営業へ行った際に最初の質問をされた。


話を聞いてみると、彼女のお母さんから質問されたとのこと。

「結婚したら、どちらか片方が我慢するのは良くない。

 お互い歩み寄ることが必要。

 ちなみに、今、相手に対してどれぐらい我慢しているつもり?」

彼女が先に聞かれたようで、70%と答えたようだ。

その場にいたみんなが驚き、

〝結婚前から70%も我慢していて、結婚するの?〝

となったそうだ。

そんな後に彼は我慢しているとは言えず、

「自分は我慢していません。

 彼女に負担をかけていて申し訳ないです。」

と答えたそうだ。


「今も我慢していないとは言わないけど、

 我慢していると少しでも思っていたら

 結婚していなかったかな?」

と答えた。


先週から夫は海外出張に出かけた。

普段なら、平日の晩御飯は夫が作って待ってくれているが、

不在なので、いつも以上に会食や出張、友人との予定を入れた。

昔からの友人と久しぶりに会って、ふと思った。

最近、わたしは必要以上に将来を不安に思っていたのではないか?

結果、夫に我慢を強いていないか?


我が家は年の差夫婦で、夫は初婚ではない。

普通に考えれば、夫はわたしよりだいぶ早くに亡くなるだろう。

夫は2人一緒にいられる時間を、

わたしは夫がいなくなった後の時間を

それぞれ考えていたと気付かされた。


夫「ご両親がきた時にも部屋が必要だし、

  これぐらいの広さがあっても良いんじゃない?」

わたし「この部屋の大きさだと将来一人暮らしには大きいかなぁ。」


夫「こんな家電があれば、助かるよ!

  時短できれば、他にもう1品作れるし。」

わたし「この家電は場所をとるし、将来使わないかなぁ。」


2人とも我慢していないはなかなかない。

わたしがあまり我慢していないのであれば、

夫が100我慢しているのかもしれない。

そんなことを考えた部下の結婚。

気づかせてくれたことに感謝。