「おまじない」心書vol.75

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「「この業界は男社会だからな。」って

 上司が私に言うんですよ。」


得意先の購買担当(女性)の方との面談が終わり、

雑談の中で、この業界には女性が少ないという話をしたら、

帰り際にその方が小さく笑いながらポロッとそうおっしゃった。

『上場企業とは言え、取締役に女性が1名もいらっしゃらないあの会社で、

 きっと▲▲さんも苦労されているんだろうな。』

と思いながら、帰路についた。


先日、NHKで『ドリーム』という映画が放送されていた。

NASAで働く黒人女性3人の話だということだった。

NASAにあまり興味はなかったが、

実話がベースになっているとのあらすじを知り、

録画予約した。


「君は自分が白人の男性ならエンジニアになりたいか?」


主人公の1人にユダヤ人の男性上司がそう尋ねる場面がある。

そのユダヤ人の上司が

「エンジニアになる試験を受けたらどうか?」

とすすめるのだが、彼女は断る。

なぜなら、自分は黒人女性だから、エンジニアにはなれないという理由が明白だった。

そんな彼女に上司は語りかけ続ける。


「自分の祖先はユダヤ人だからという理由で

 長い間迫害を受けた。

 でも、今、その迫害を受けていたユダヤ人が

 NASAエンジニアをしている。

 未来は変わる。

 夢は持たなければ、始まらない。」


彼女は上司の後押しもあり、その当時、白人しか通えなかった学校へ通えるよう、

裁判を起こし、最後には夢を叶える。


取引先の方の話を聞きながら、その映画を思い出した。

「叶わない」「できない」と言われ続けると

夢や目標はその〝叶わない〝〝できない〝と言われた範疇を超えることはなかなかない。

洗脳ではないが、言葉の影響は大きい。


4月から新しく新卒の女性をメンバーとして迎え入れた。

当社の商社部門では初めての試みだ。

彼等に〝呪い〝ではなく、〝おまじない〝をかけられるよう、

心がけたいと改めて思った。