「入社式」心書vol.76

「すごく良かったです!

 ◯◯さんが社員代表で歓迎の挨拶をされていると思っただけで

 なんだか涙がとまらなくて。」


入社式が終わって、支店へ戻ったら、

部下の1人が興奮気味に話しかけてきてくれた。


今年の4/1、当社にとっては初めて入社式をした。

入社式直前に上司から連絡があった。

「歓迎の挨拶を誰にしてもらうか役員会の議題だったんだけど、

   ◯◯支店長を推薦する声があって、引き受けて欲しい。」

とのことだった。


挨拶文のOKが出たのが入社式前日。

「紙を見ながらで問題ないから。」

と直属の上司からは言われたが、

「自分の言葉で挨拶してくれないと響かないですよ。」

というベテラン事務員さんのアドバイスに従うことにした。


結果、一文とんでしまい、言葉に詰まってしまった。

自分としては少し落ち込んでいたが、

周りの反応は異なった。


「▲▲さん、◯◯支店長の挨拶が始まったら泣き始めて。」

と、半年前に入社し、▲▲さんに指導を受けている部下が話しかけてきた。


「こんなに綺麗に富士山が見えたことないよね。

 本当綺麗だなと思うけど、登ってみると汚いみたいだね。」

先週末、山梨へ出張した際、そんな話を取引先の方とした。

同じ富士山でも見え方が変われば、使われる表現も変わる。


自分にとっては失敗だったが、

誰かの心に届いたなら、良かった。

そう思えた今年の4/1だった。