「出過ぎた杭」心書vol.9
中間管理職になると内示が出た時、友人に言われた。
「出る杭が叩かれるなら、
◯◯ちゃんは出過ぎた杭になれば良い。
叩いた相手が叩くのを諦めるぐらい出過ぎた杭。
カッコいいじゃん。」
友人から『どんな状況でも私は味方だよ。』と言ってもらえたみたいで嬉しかった。
自分は無意識だが、周りにとってわたしは「出る杭」らしいと気づいたのは早かった。
いや、気づいた訳ではなく、意識させられたが正しい。
取引先さん「◯◯さん、▲▲(会社名)さんとお取引あられるんですね。」
わたし「??会社としてはあると思いますが。何かありましたか?」
取引先さん「▲▲の方から◯◯さんのお話を伺って、面識あられたんだなって思って意外でした。」
わたしはその方と未だに面識はないと思っている。
業界で女性営業はすごく少ない。
わたしが入社した頃の20代は今よりもっと女性営業は少なかったのだと思う。
実際、私自身も3年前まで他社で女性営業の方は1名しか会ったことがなかった。
自分は会ったことがないと思っている人が
わたしの知らないところで、わたしを知っているかのように話されることに
正直恐怖に近い感情を持った。
同業者の集まりへは行かない、
取引先との会食も極力行かないなど、
あらぬ噂を立てられないように、自分なりに気をつけた。
でも、気をつけても噂は消えなかった。
ある時、思い直した。
『当たり前のことを今まで以上に一生懸命やろう。
目の前のこと1つ1つに対して実直に対応して、
わかってくれる人だけがわかってくれたら良い。』
そんなことを思い始めた頃、中間管理職になる話がでた。
上司からは
「出る杭は打たれる。
抜かれたり、出来るだけ叩かれないように
私も力になるから一緒に頑張ろう。」
と言ってもらった。
嬉しいより不安な気持ちが大きかった。
そんな時に友人がかけてくれたのがはじめの言葉だ。
中間管理職になった際、取引先の方々から
「おめでとう。今までの頑張りがきちんと認められて良かったね。」
と言ってもらい、嬉しかった気持ちは忘れられないし、今まで以上に真摯に取り組もうと思った。
たまに落ち込むと友人の言葉を思い出す。
まだまだ出過ぎた杭には遠いが、
取引先の力に少しでもなれるよう、
目の前のことを一生懸命取り組もうと思う。