「なみだ」心書vol.14

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今も心に残っている高校時代のクラブ顧問の話で〝なみだ〝の話がある。

「歳を重ねると涙もろくなると言われている。

 それは色んな経験をして、他の人の思いや立場に

 自分を重ねることができるようになるから。

 涙を流すことは決して恥ずかしくない。

 それだけ色んな人の気持ちがわかる人間になれているということだから。」


大人になると、なぜか人前で泣くというのは

どんな場面であってもいけないことのような気になる。

「女の涙は武器。」

だとか、

「やっぱり女は感情的だから困る。」

とか言われたくないというのもあって、

いつからか泣くなら1人で泣く。


仕事で、とっても辛いこと、悲しいこと、悔しいこと、怖いことや嬉しいことがあった時、

自然と涙が出てしまう時がある。

『あっまずい。涙が出る。』

と思うと私はいつも外出して、1人になる。

自分の気持ちを落ち着かせるために、ひとまず頭を冷やす。


それでもどうしようもない時、

高校時代の先輩に連絡する。

今、先輩は3人の子どものお母さんで、毎日すごく忙しい。

でも、わたしが

「電話しても良いですか?」

と連絡すると、いつも電話をかけてきてくれる。

ひと通り話をして、時に泣いて、先輩に

「大丈夫。

 なんにも悪いことしていないんやし、見てる人は見てくれているから。

 正しいと思うことをやれば良いよ。

 うちはいつでも◯◯ちゃんの味方やで。」

と言われると、なんだか大丈夫な気がしてくる。


先輩は専業主婦で、私はサラリーマンで、

置かれている立場や環境は全く違うけれど、

そこを乗り越えて、いつも寄り添ってくれる。

『あの時、先生が言っていたのはこういうことなのかな。』

と、ふと思う。

そして、やっぱり先輩はいつまでも尊敬する先輩だと思う。

わたしも誰かの涙に寄り添える人でありたい。